(敬称略)
伊東みくというモデルは僕の撮影の中で第2位(ささやかながら11回!)という撮影回数を誇るフォトジェニックなモデルである。
初撮は2016年の8月の西立川。
失礼ながらこの日は秋元るい氏を撮りに行って、その前後に適切なモデルさんを入れたらいいな、という軽い感じで予約させていただいたのがきっかけである。(確か価格も5,000以下?くらいの破格さだった)
しばらく歩きながら会話をしたのだが、声がとても特徴的で容姿も素朴だったのではじめ中...高校生かなと思っていた。
しかし撮影を始めると目線、動線ともに素晴らしく、彼女に引き込まれていってしまった。
その場の雰囲気すらも一変させてしまうオーラをもったモデルだと感じた。
これが一撮めである。
上京の折に度々撮らせてもらっていて、一度彼女を雨の中で撮りたいと思い、100%雨の日を厳選して日帰りで撮りに行ったことがあるくらいまでになってしまった。
人気も絶大で一時期は予約困難モデルの一人だった。
その後、当時は制服撮を自分的に禁じていて、また彼女がエキセントリック系に走ったこともあり、撮りに行く回数もへってしまったのだが、今でも僕の中で秀逸なモデルであることに変わりはない。
少女のなかに大人の陰が潜む危うさ、が彼女の魅力。
これをどう撮り表現するかが、未熟な私に課せられていた課題であったと、今考えれば思い起こせる。
モデルに撮らされるより、能動的な自分の表現とは何かを考えさせられたそのきっかけとなったモデルだった。
今回は、おそらく彼女の最後の撮影になるかもしれないと思い、桜の中での制服をお願いした。
桜という花が、儚さの中にも威風堂々とした季節を彩る媒体となり得るからだ。
彼女も一生懸命撮影に挑んでくれた。
カメラマン以上に....
それでも少しテーマがあやふやなまま撮影に挑んでしまったので現像の色調調整に難があり、ハードルも自分が高くしているのかもしれないが、いまだに納得のいく写真は仕上げていない。
今後、どれだけ時間がかかるかわからないが、大切に、そして思いを込めて仕上げていきたいと思っている。
『桜咲く日に』
model 伊東みく
date 2019.3.30
location 光が丘
Nikon D5 + AF-S105mm f/1.4E + SB-5000
SS1/2,000, f/2.2, ISO250, マルチパターン測光
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