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model かるは

  • 執筆者の写真: TenChiJin
    TenChiJin
  • 2019年4月23日
  • 読了時間: 5分

とうとうフォトコンで第1位となる賞をとってしまいました。

受賞報告に「model かるは」とやっとつけることができました!


自分の作品なんかでいいのかな、と思うけど、目指していたものでもあるのでとても嬉しいし、かるはさんにも喜んでもらえて嬉しい。


たくさんのおめでとうコメントまでいただきました。

ほんとにありがとうございます!


今回は少しおこがましいし、偉そうに!なんてところもあるのだけれど、もう二度とこんな賞を取れることはない(自分には大それた世界観も大した理論や基礎的な技術もない...)と思っているので、少し書かせてください。



まずはモデルのかるはさんについて。

(失礼な書き方があるかもしれませんがお許しを。)

かるはさんの初撮は約1年前の1月。

たまたま空いていた枠に宣材写真(たぶんかずさんが撮ったもの。かずさんの写真は誰が見てもわかる美しさ)で決めた。

かっこよくてオシャレ感満載の写真だったので、コミュニケーションに苦労する系のモデルさんかな、と思ったがなかなかのまったく逆の誠実系でどちらかというとおとなしめな感じ。というのが第一印象。


片目(片方の目を隠す)表現が美しかったので、この後何度も撮らせてもらうことになる。

(くしくも今回の受賞も片目になった。。。)

いつ撮る時も雰囲気が違っていて、これを僕は「振り幅が広い」と呼んでいるのだが、毎回どう撮るか、その時に悩むことになるのだが、その悩みが楽しいというか、勉強になるというか。

誠実な人柄というか、嘘をつけないというのか、弱さを曝け出すこともあり、心も大きく揺れることがあるのでその不安定さも魅力の一つ。

話している彼女と表現者としての彼女は全く違うので、会わなければわからない、と思っています。

そしてモデルとしては「顔」だと思うのだけど、彼女の場合は中性に近い顔つき。失礼な言い方だったかもしれないが、古来、美の世界では男性と女性の中間の顔がもっとも美しい顔だと言われている。(モナリザとかいつも性別の議論が絶えませんよね)

特に髪色が黒なのでそう思うのかもしれない。


どの撮影会でも、特に日本という国では、「女の子な」顔つきのモデルに人気が集中する傾向があるけれど、いつも疑問に思っている。


少し分析的な書き方をしたけれど、彼女がそれだけ被写体として魅力的だということ。



そして、何よりもかるはさんは僕なんかの撮った写真をいつも褒めてくれていて、大事にしていてくれる。

僕は新潟県人なので(あまり関係ないのかもしれないが)、カメラマンを大切にしてくれる、撮った写真を大切にしてくれている人にはいつも胸中に恩義をもっていて、なんとか報いてあげたい、返してあげたい、という思いを強く持ってしまう。


だから今回の受賞はとても嬉しい。

彼女にいい賞をつけてあげられてほんと嬉しい。


ありがとう、かるはさん。



撮影とフォトコンについて

少し書き方を客観的なものに変えようと思う。


撮影の意思はいつも変わるものである。撮った時の自分の気分もあれば、それが自分ではなくモデルの場合もあるからだ。それ以上に創り描く経験値というものはとても大きく、それまで何回撮影したか、チャレンジしたか、という経験は表現の位置付けや、ましてや表現力そのものをも変化させることがまれではない。

今回の作品についても、実は前フリがある。

2018.11月号で同誌に「見つめていたい」(モデル:はせちゃん)で作品を掲載された。(ぜひ掲載作品をWorksからご覧ください。書いている意味がわかります。)

この時、「構図がいまひとつ主題に迫りきれていない」とういう選者からの講評をいただいたのだ。これには大きく反省を促された。モデルの魅力で掲載こそされたものの、モデルの良さや長所を活かしきれていない焦点(主題)のあいまいな撮影だったと気付かされたからだ。

撮りたいものと真に良い作品を生むものとの間に葛藤が生じたのである。

だからロケやスタジオにガラス窓があると積極的に撮影するようになった。

眼の力の強い方を撮影では好むようになった。

そしてチャンスは急に訪れた。

この日の撮影は陽はさしているが、スタジオまで光が回らない時間帯。

屋上のあるスタジオなので、屋外撮影を頭に置きながら、屋内からスタートした。

暗い場所だったので、光がささず、かるはさんの眼がどんよりする傾向。

いわゆる色の出ない光量。


そして屋上に移動した。


『裏窓』

model かるは

date 2019.2.16

studio Pom


NikonD5 + Nikkor AF-S58mm f/1.4G

SS1/1250, f/2.2, ISO100, マルチパターン測光


=解説=

 前述のガラス窓構図で攻めたいと考えたので、光の屈折するストロボライティングは避けることにした。奥からバックライトもしくは壁等のライティングも考えられたが、不自然さを避けるため、そして奥の部屋の背景整理のためノーライテングが望ましいだろうという設定を確定した。

 絞りは安定さを求めて2.2〜2.8。ISO100でSS1/1000が十分に確保されていたので、絞り優先モードに設定した。58mmを選択しているため十分に寄れているので、ピントは自分の癖もあり瞳でなく、睫毛(下)の根元に合わせている。

 あとは構図を確認しながら露出を調整した。

 ガラスの反射に綺麗な写り込みが出来ないか、これを副題にできないか迷ったのだが、そこまで作り込みはできないと判断し、撮影角度だけに留意し構図を決めた。瞳に主題を置いてシャッターを押した。

 あとはモデルのポージングだけなのだが、そこはかるはさんの表現力にまかせた。ここぞのときは片目と彼女も知っているので、指示を出すことはなかった。記録を見ると、この場面を3枚撮影していたようである。もっとも主題に沿った一枚を選んだ。

 現像の色調整は、肌色をブルーで安定させ、マゼンダで微調整している。もちろんノートリミングである。

 題については、前回のもあって「見つめて」にしようと思ったのだが、ヒッチコックの某作品が頭によぎり「裏窓」とした。この窓で、この窓から、これから彼女がどういう状況で、そして何をしようとしているのか。

この写真で想像を膨らませていただけたら幸いである。

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